保育士処遇改善等加算とは?内容・仕組みについて解説!
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保育士の労働環境改善に向けて、近年では保育士の処遇改善のためのさまざまな取り組みが行われるようになってきました。その代表的なものの1つが「保育士処遇改善等加算」です。これは、保育士の賃金の改善やキャリアアップの取り組みを行った保育園に対して、保育士の給料を上げるために補助金を支給する国の制度です。
この記事では、そんな保育士処遇改善等加算について、詳しく紹介していきます。
保育士処遇改善等加算とは?
保育士の給料を上げるための補助金を支給する制度!
保育士にとって、仕事の忙しさに対して給料が少ないという現実があります。初任給の低さもありますが、昇給制度がないことが多く勤務年数・経験を重ねても新人のころと給料が変わらないということが大きな問題となっています。そこで、保育士の給料を上げるための補助金を支給することを目的として『保育士処遇改善等加算』という制度が作られました。
『保育士処遇改善等加算』は、保育士の確保や資質の向上を図り、質の高い保育を安定的に供給していく、保育士が長く安定して働くことができるように、保育園の賃金改善やキャリアアップの取り組みに対して補助金を支給する制度です。
保育士の求人情報を探す処遇改善等加算は2つ存在している?
保育士処遇改善等加算には、経験年数に応じた賃金改善・キャリアアップの取り組みに対する職員全体の人件費の加算【処遇改善等加算T】、技能や経験を積んだ職員に対する追加的な人件費の加算【処遇改善等加算U】、2種類があります。
詳しい内容については、以下で紹介していきます。
処遇改善等加算Tについて
処遇改善等加算Tは、自治体が平均経験年数に応じた保育士賃金の改善、状況把握を目的として平成27年度に導入されたものです。処遇改善等加算Tは『@基礎分』『A賃金改善要件分』『Bキャリアパス要件分』3つの要素で構成されています。
@基礎分
職員1人当たりの平均経験年数に応じて、加算率(2〜12%)が設定されている要素です。
A賃金改善要件分
賃金改善計画・実績報告が必要となる要素で『基準年度の賃金水準を適用した場合の賃金総額』『人件費の改定状況を踏まえた部分』に応じて賃金の改善を行い支給されるものです。加算率は5%(平均勤続年数11年以上の施設は6%)です。
Bキャリアパス要件分
役職や職務内容等に応じた勤務条件、賃金体系の設定、資質向上の具体的な計画づくりや計画に沿った研修の実施、研修機会の確保、職員への周知などが要件に含まれています。保育士の経験年数に関わらず一律5〜6%が加算されます。逆に要件を満たさない場合には、Aから2%引かれることになっています。
これらは、非常勤職員を含むすべての職員が加算の対象となります。保育園側には、基準年度からの職員の賃金改善に確実に充てること、賃金改善計画書の作成および賃金改善実績報告書の提出などが求められます。
処遇改善等加算Uについて
処遇改善等加算Uは平成29年度に導入され『副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダー等、新たな役職を定めそれらの役職に就いた保育士への処遇改善を促す』ためのものです。副主任保育士、専門リーダー職の場合は1人当たり月額4万円、職務分野別リーダー等の役職の場合は1人当たり月額5千円が加算される仕組みです。当制度の導入により、キャリアパスの仕組みを作り、保育園に保育士の処遇改善の取り組みを促しています。
注意点としては、これらの新たな役職には一定の経験年数が必要なことです。職務分野別リーダーで概ね3年以上、専任リーダーと副主任保育士は概ね7年以上とされています。また「保育士等キャリアアップ研修」という都道府県または都道府県知事の指定した研修実施機関によって実施される研修を受ける必要があります。保育士等キャリアアップ研修には6種の「専門分野別研修」「マネジメント研修」「保育実践研修」とがあり、希望する役職に応じて修了すべき専門分野の数、種類などが異なります。
保育士の求人情報を探す保育士処遇改善等加算による給料アップはどのくらい?
役職次第で月4万円アップすることも!
処遇改善等加算Tの部分については、保育園による取り組みに対して助成するものとなっています。そのため、その園の取り組みによって一概にいくらアップするか分かりません。しかし、少しずつ賃金改善はされてきています。
一方、処遇改善等加算Uの部分については、保育士等キャリアアップ研修を受け、副主任保育士や専門リーダーに就くことができれば、最大で月額4万円、職務分野別リーダー等では月額5千円の給料アップが見込まれます。
自分自身の保育士としてキャリアアップを目指すべきかによって、給料アップの可能性はあると言えますね。
保育士の求人情報を探す保育士処遇改善等加算で給料アップする対象者は?
『処遇改善等加算U』のみ役職条件あり!
保育士処遇改善等加算で給料がアップする対象者は、処遇改善等加算TとUで異なります。
【処遇改善等加算Tの対象者】
非常勤職員を含むすべての職員です。各保育園において、保育士の経験年数に応じた賃金改善の取り組みが実施されています。
【処遇改善等加算Uの対象者】
副主任保育士や専門リーダー、職務分野別リーダー等が対象です。
これらの制度をうまく活用して、給料アップに生かしていきたいですね。
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