転職を検討しているなら、有効求人倍率にも注目してみてください。転職活動をよりスムーズに進める助けになります。ここでは、有効求人倍率から見えてくる保育士の転職事情について紹介します。
保育士の有効求人倍率の下げ幅を平成30年度と令和3年度を比較すると、全国では36.3%の下げ幅のところ、東京では58.1%と大幅に下がっている事が分かります。
このことから、東京の保育士の転職事情は求人数が減少している、求職者数が多くなっているなど、以前より悪化しているのが実情です。
東京は人口も多く、コロナ禍の影響を最も受けやすい傾向があることも、下げ幅が高い理由の一つだと考えられます。よって、東京で気になる求人があったら、なくなってしまう前に積極的に動いた方がいいでしょう。
また、現在では、東京都では保育士確保のために、上乗せ手当の支給や家賃補助制度が充実しています。そうした制度のあるうちに、地方からの上京を検討することをおすすめします。
保育士として就職・転職を目指すなら、「有効求人倍率」について知っておきましょう。
有効求人倍率を見ていくことで、感覚でなく客観的に転職市場の動向を捉えることができます。
就職・転職活動では情報が命。それも偏りのない、確かな情報が成否を分けます。
有効求人倍率は厚生労働省から出される、確実な基礎情報です。
では、そもそも有効求人倍率とは何でしょうか。
有効求人倍率とは、「仕事を探している方」に対して、「どれぐらい求人があるのか」を示す指標です。全国のハローワークの状況をまとめて、厚生労働省が毎月公表しています。
ちなみに、有効求人倍率は以下の式で求めることができます。
(企業からの求人数)÷(求職者数)=有効求人倍率
有効求人倍率が「1」なら「求人数」 = 「働きたい人の数」になります。
そして、倍率が「1」より大きくなるほど、仕事がたくさんあることを示しています。
例えば、2021年4月の保育士の有効求人倍率は2.04倍となっています。
これは、1人の保育士に対して2件の求人があることになります。
全職種平均の1.04倍なので、その差は倍以上となっています。このことからも世の中で保育士が不足していることがわかります。
以下は、厚生労働省の資料を参考に、東京都の平成30年から令和3年までの有効求人倍率を抜き出したものです。
▼東京都の有効求人倍率
年度(月) | 有効求人倍率 |
---|---|
平成30年度 11月 | 6.44倍 |
令和元年度 11月 | 5.16倍 |
令和2年度 4月 | 3.41倍 |
令和3年度 4月 | 2.70倍 |
東京都の有効求人倍率は、令和2年以降、大きく下がっているのがわかります。
平成30年度、令和元年度が11月の数字で、それ以降は4月の数字のため単純比較はできませんが、確実に低下している傾向がわかります。
その理由としては色々考えられますが、東京都の保育士が年々充足してきていて、求人数が減ってきている可能性があります。
ここで、参考に同様の数値を「全国」で抜き出してみました。
▼全国の有効求人倍率
年度(月) | 有効求人倍率 |
---|---|
平成30年度 11月 | 3.20倍 |
令和元年度 11月 | 3.23倍 |
令和2年度 4月 | 2.45倍 |
令和3年度 4月 | 2.04倍 |
東京と同様に有効求人倍率は、令和2年以降大きく下がっています。
コロナ禍の影響もあってか、転職活動を見送る人が増えることで離職者が例年より減少、結果として求人募集が減少しているとも考えられます。
また、待機児童数の減少により一時期よりも新規開園数の伸びは落ち着いてきているのではないでしょうか。
新型コロナウィルスの影響については、今後の状況も引き続き気に掛ける必要はありますね。
保育士の有効求人倍率は、他の業種と比べると高い傾向にあります。ただし、令和2年度以降、コロナ禍の影響もあると思われますが、低下しています。中でも、東京は大きく下がっています。
有効求人倍率が低くなると、少ない求人の中から選ぶため「思うような仕事がなかった」という状況にもなりやすいです。特に東京での就職・転職を考えている方は、理想の職場を見つけるために、情報収集を始めたほうがいいでしょう。
▼出典
厚生労働省:保育士の有効求人倍率の推移(全国)(https://www.mhlw.go.jp/content/R2.11..pdf)
厚生労働省:保育士の現状と主な取組(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000592531.pdf)
厚生労働省:「保育士確保集中取組キャンペーン」を実施します(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000470882.pdf)
上記のデータをもとに保育士上京ガイドがグラフ、表を作成しました。
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